2026/04/09 20:58

沖縄に帰るたび、牛舎で牛たちの瞳を見つめながら、私はいつも一つの後悔を思い出します。

かつて私は、家業である畜産から目を逸らして生きてきました。動物が好きだったからこそ、命をお金に変える現実に折り合いがつかず、早くに家を出ました。命を売る仕事だ、と思っていたのです。

でも今になって分かります。命から目を逸らしていた私こそ、ちゃんと命に向き合っていなかったのだと。


2024年大切な存在を立て続けに失いました。16年共にした愛猫と、その半年後には父でした。

父が施設に入っていた頃、大阪へ発つ前に「会いに行こう」と一瞬頭をよぎりながら、忙しさを理由に後回しにしました。「また次の帰省でいい」と。

けれど、次は、ありませんでした。

愛猫が病気になったときも、元気なうちにできることがあったはずなのに、私はいつも「今」を見ていませんでした。その喪失の中で、目の前にあるかけがえのない時間の尊さに、ようやく気づかされたのです。


今、沖縄の農場は、私の兄が守り、経営しています。

私は大阪にいて、物理的に牛舎を手伝うことはできません。家業の厳しさを知ったとき、自分の無力さに打ちひしがれもしました。けれど、「いつか生活が落ち着いたら」なんて言っていられない。父や愛猫のときのように、後回しにして後悔したくない。

離れている私だからこそ、できることがあるはずだ。

そう考えて立ち上げたのが、Higa Farm Works(HFW)です。

兄が大切に育てた和牛という命を、お肉としてだけでなく、新しい形で暮らしに繋ぐこと。沖縄の農場と、全国の飼い主さんたちの「今」を、製品を通じて結びつけること。それが、今の私にできる精一杯の貢献でした。


Higa Farm Worksが届けるもの

私たちがつくるのは、大切な家族であるペットと、飼い主であるあなたが、共に健やかでいられるための繋がり、と考えています。

  • 和牛のおやつ:兄たちが育てた和牛を、余計なものを一切入れず、シンプルなドライビーフやクッキー、ポトフに。
  • 和牛の石鹸:本来は「副産物」として扱われる牛脂を丁寧に精製し、台所仕事で荒れがちな手を守る石鹸に。

現在、牛脂は農場のタイミング上、自社牧場産ではありません。待ってはいられないので、大阪で仕入れた国産牛を使用しています。今の立ち位置を正直に伝えながら、一歩ずつ理想の循環に近づいていきたい。見守っていただけたらと思います。


大切な存在が、今日もそこにいる。

その「今」を後回しにせず、大切にしてほしい。HFWの製品が、あなたと、あなたの大切な家族が、今日という日を健やかに歩むための小さなきっかけになれたら。

それが、後悔の先に見つけた、私のたった一つの願いです。